読了:「鬼畜」の家:わが子を殺す親たち

■筆者、石井光太について
僕は実はこの人の書いた本は全て読んでおります。
中でも、エイズについて書かれた本、「感染宣告――エイズなんだから、抱かれたい」は白眉の作品で、ゲイとエイズについて、濃厚な取材に基づくルポタージュとなっております

■本作品について
3件の児童虐待死事件を詳細に取材して、書き起こした作品になります。
当事者のみならずその親、祖父母にまで丁寧に取材する姿には頭が下がります。

一番僕の心を捉えたのは、虐待死させた家族が持って居た、記念写真に関する記述です。
筆者は、この事件の重大さから、家族はさぞかし荒んだ生活を送っていただろうと予想していたのですが、実際は、亡くなった子を含めて、子供たちは両親に愛情をもって接していました。
記念写真も、どれも笑顔ばかりで、父親に殴られて頭に包帯をしていた長男も、カメラの前では笑顔だったと言う事です。

死ぬまで虐待されても親を慕う子供
子供に愛情は感じていながらも、愛情を表現することが出来ない両親
そしてその両親に愛情を教えることが出来なかった祖父母…

この家族は、普通の家族と地続きかもしれない
そう思わせる作品