映画鑑賞:岩井俊二監督の最新作『リップヴァンウィンクルの花嫁』

この監督が好きだから見に行きました。
見終わって、初めてわかりました。
本作はレズビアンカップルの結婚と死をテーマにした映画だったのです。
皆川七海(黒木華)は自己肯定感が低く、主張が出来ないため、意地の悪い大人にいいようにされて…就職先も配偶者も失って、旅館の住み込み従業員として働く

ふとした事から、里中真白(Cocco)とリゾート地の別荘で暮らすようになり、二人の距離は近づいていく

AV女優として働く真白は、恐らく性志向を自覚していたのであろう、七海に、同性愛を告白し…七海はその愛情を受け入れる

二人で花嫁衣裳を試着し、外車で海岸通りを疾走するその姿は、レズビアンカップルの結婚式そのもの。その凛々しい姿に、涙が出そうになりました。

家路に着き…花嫁衣裳のまま眠りにつく二人
真白は実は末期癌を患っており…美しい想い出のまま旅立ちたかったのか、猛毒を持つ貝を握りしめて、ベットの中で自死を遂げる

現場を保護しようとする関係者
七海は最初状況が理解できず…真白の体に触れて、死後硬直を悟ったとき、初めて大声で号泣する。これまで感情の起伏がなく、何があっても

 

「はい」と受け入れるしかできなかった彼女が…。

 

きっと今まで、泣き方が分からなかったんだね
大声で泣いて良いって、
怒って良いって、
誰も教えてくれなかったんだね

その彼女の怒りは…やがて諦念と、時の消化と、そして何より美しい想い出に昇華して…感動のラストに繋がる
本作は恐らく、今年のLGBT邦画のベスト3には入るでしょう
岩井俊二監督、有難う

黒木華、有難う
Cocoo、有難う