両親への2回目のカミングアウト

両親への2回目のカミングアウト

1回目のカミングアウトをしたあと、感じたのは…両親への嫌悪・恐怖。
僕があれだけの想いを込めて43年間の想いをカミングアウトしたのに、のれんに腕押しで、感情の動きは見られない。
僕がこれだけ苦しんでいるのに、クールな視線を浴びせるこの人は誰?
母親が、全然知らないオバさんに見えた

カウンセリングの先生は、そんな僕が落ち着くまで付き合ってくれた。
「あれじゃ子供たちは苦しいね…。感情起伏に乏しい人たちだね」
そう言って抱きかかえてくれた。

帰り道で、母親が待ち伏せしているような気がした
僕が謝るまで母親から怒られる、そんな恐怖から逃げられなくなっていた。

お勝手口から出て、広尾から自宅に帰る
通い慣れた聖心女子大からの小道が、すっかり群青色
それでも頭は怒りの為に回り続けている

ピアニストの弟は、結婚したいとフィアンセを両親に紹介したが、父親は許さなかった。
片親のフィアンセを侮辱する父親
怒り狂った弟は、両手で机を殴りつけて、10本の指を折った。

そんな弟を、母親は庇わなかった。
それどころか、弟を勘当すると言い出した。
両親の言う事を聞かない弟が気に食わないからだ

今度は僕の番?
LGBTな子供は両親の気に食わないから棄てる?

上等じゃない
住まいはある、仕事もある、しっかりしている頭も体もある
こちらから母親も父親も棄ててやるよ

 

1週間がたった
2回目のカミングアウトの日が来た
両親の希望で、今回はカウンセリングの先生は入れない
親子だけの会話になる

会いたくない
けれど会わずにはいられない

母親に僕の気持ちを分かってほしい
けれど逃げ出したい

お母さんに嫌われたくない
お母さんの事が大好きだから

その日の朝、出社する道すがら
朝だと言うのに空は夕闇の濃さ
気持ちの悪さはピークに達して…僕は通勤中に嘔吐した