遅咲きゲイの苦悩ブログ

Category: 8.カミングアウト

両親へのカミングアウト~子供への愛情は十分でしたか~


両親へのカミングアウト~子供への愛情は十分でしたか~

暖簾をくぐって、席に着いた
飲み物を聞かれて、ノンアルコールビールを注文する
今日で一か月目の禁酒
お酒を飲まなければ、僕の決意も少しは伝わるだろうか

料理が運ばれて、
食卓が少し華やいだ
焼きナス、モツの味噌煮、サンマの塩焼き
父親が好きそうな料理が並ぶ
両親はどういう気持ちで、今お酒を飲んでいるのだろうか

世間話が続いた
僕も世間話で応じた

今日は、僕からLGBTな話を切り出すのは、
絶対に止めようと思っていた。
幾らでも大人の対応を取ってやる
何処からか沸いてくる、変な意地
口火を切ったのは父親だった。

「俺は」

父親は続けた

「子供の幸せを願っている。今こうして顔を合わせても、お前の事は可愛いと思っている。だから…この前のカミングアウトは受け入れる」

ありがとう
けれどもう問題は、
貴方たちがカミングアウトを受け入れるかどうか何て事は、
通り過ぎているんだ。

「時代は変わっているし、俺たちも理解しているよ」

どうもありがとう
けれど、そんな事はもはや問題ではない。
問題は…、本当の問題は…。

貴方たちが自分自身の人生を振り返って…
子供に愛情を掛けられなかった事を反省できるかどうか
夫婦の間に依存関係はあったが、愛情関係は無かった事を認められるかどうか

そこに、出発点は有る筈だよ
そこに気が付ければ、残り少ない人生を、愛情で彩られた物に変られるかも知れない
そんなチャンスを得ることが出来る
カウンセリングの先生の話を思い出して

親が歩き方を教えるから、子供も歩けるようになる
親が英語を話せば、子供も英語を話すようになる
親が人を愛す方法を教えれば、子供も人を愛せるようになれる

貴方たちの息子は、両親から愛されていると思えなかった
だから、ゲイである事を43年間カミングアウト出来なかった
本当の自分を表せば、周りの人が皆去って行くと思い込んでいた


けれどそれは仕方がない
父親は…実母から棄てられた人だから
母親は…幼いうちに実母を無くしているから

 

父親の演説は続いた。

「俺は、俺の代から、一から家族を作ろうと思ったんだ。子供の頃は継母から虐められて、辛かった…。だから、母親も継母も関係ない家族を、新しく作ろうとしたんだ」


…そんな事無理だよ、父さん
カウンセリングの先生が言う事、全然分かってくれないんだね…。


父さんの実母が、父さんに掛けた呪いは、ばっちり肉のサシの様に食い込んで…
ほら、僕にしっかりと伝わっているじゃないか


しかし、これ以上この問題を突き詰めても、お互いに感情を拗らせるだけ
頑張ったねお父さん、お母さん
けれど、これ以上はきっと、理解できないだろうね…。


両親の姿を見てそう判断した僕は
LGBTのカミングアウトに理解を示したことで満足すべきと判断し…、
これからも親子で支えあって行こうと、前向きな話をして…、
この会食の幕引きとした

 

 


両親へのカミングアウト~カミングアウトを待つ両親の姿を、暖簾越しに眺めながら~


両親へのカミングアウト~カミングアウトを待つ両親の姿を、暖簾越しに眺めながら~

聖心女子大の通学路を下って、広尾駅→新御茶ノ水駅へ
ニコライ堂を眺めながら、神田明神の裏口へ

神社の灯篭には優しく明かりが灯されている
参道には、仲良く手を繋いで歩いている親子連れが歩いている
穏やかで幸せな、形が定まった家族の風景
僕が望んでも、望んでも、手に入れる事が出来なかった、親と子供の幸せな風景

指定された蕎麦屋を、ガラス越しに覗いてみる
両親は既に晩酌を始めていた
父親は顔を赤くしていた
母親もグラスを傾けていた
目分量で酒量を測る…大瓶2本目と言ったところか
お酒を飲んでしまったら…その日はまともな話し合いなんか出来ないよ、お父さん

アルコールが入ったら、真剣に考える作業は終了
だからお酒を抜いて話し合おうと言ったのに
父親は以前から、アルコール中毒気味だった
肝臓を悪くして入院しても、お酒を止められなかった
脳溢血で生死を彷徨った後でも、やはり飲み続けた

人が、アルコールを止められないのは
お酒が好きだからじゃない
辛い気持ちを忘れたいから、お酒を飲んでいる

父親の辛さ、それは…両親との関係に関わる辛さ
父親は、実母から棄てれた人だから
父親の実母は、育児放棄をした人だから

人は幾つになっても、親との関係を、自分の力だけでは整理できない
実は俺も、アル中気味でさ
だから分かるんだ

今実は、
「今はまだ若いから大丈夫だろうけれど、真剣に考えなさい」
とカウンセリングの先生に諭されて…アルコールを止める努力を続けている

杯を重ねる両親の姿を見て、今日は無理だと悟った。
両親が心を開いていないから。
この場は何を言われても、話を聞くだけに留めよう
酔った人に何を言っても、相互理解が進むことは無い

軽くため息を付いて
「いらっしゃいませ」の声を背中に受けながら、
僕は暖簾をくぐった

 


両親へのカミングアウト~何があっても母親に打ち明ける勇気は持てますか~


両親へのカミングアウト~何があっても母親に打ち明ける勇気は持てますか~

カウンセリングはそのまま続いた
母親の話もそのまま続いた

先生:「貴方はこれまで、母親に逆らった事は一度も無かった筈」
僕 :「た、たしかに…」
先生:「だから貴方は、母親に言われる通り、学校でたくさん勉強をした。社会に出て家業を継いだ。ゲイである事を母親にカミングアウトしなかった。パートナーを両親に紹介しなかった」
僕 :「…」
先生:「紹介すれば良かったのに。いいじゃない、ゲイだって良いじゃない。好きな人が男性だって良いじゃない。それで両親に嫌われたら、こっちから会わなければ良いじゃない。」

先生、ぼ、僕は…。
母親の涙を見たくなくて…。
母親の涙を見るのが耐え切れなくて…。

先生:「貴方はお母様から、愛されていると思っていない。だからお母様の事が信頼できない。ありのままの自分を出す事が出来ない。」
僕 :「…!」
先生:「お母様だけじゃない。本当の自分を出したら、両親が、兄弟姉妹が、親友が、同僚が、同級生が、みんな去って行くと思っている。だから本当の自分を出す事が出来ない。…もう、良い大人なんだから、独りで生きていく勇気を持ちなさい。誰かの脳髄に支配される生き方は止めなさい」

…そうだね。先生の言うとおりだよ。
今日母親に、父親に、また会いに行く。
会えば恐らく、色々な要求をされるだろう。
自分勝手な要求をしてくるだろう…子供の頃からされていた様に。

僕はもう大人なんだから
自分の人生なのだから
両親の意向は関係ない
母親が泣く事があっても、
それはそれで仕方がない

ゲイであることは止められない。

深呼吸を何度もして
体力が回復するのを待って
僕は広尾を後にして…両親の待つ神田へ、ゆっくりと進んだ


両親へのカミングアウト ~家族全員と離別する覚悟はありますか


両親へのカミングアウト ~家族全員と離別する覚悟はありますか

 



根津神社の朱色の鳥居を眺めながら出社した
懐かしい出社風景、けれど心は鉛色で塗りつぶされたまま


何時もの様にタイムカードを通して、パソコンに電源を入れ、崩れるように自分の席に座る
今日の夜には両親に会わなくてはいけない
二回目のカミングアウトをしなければならない
行きたくない、体が動かない


幸いなことに、その前にカウンセリングを入れてあった
根津→広尾へ
商店街のスピーカーからは聖心女子大が運営するラジオが流れて…その華やいだ声が少しだけ、僕の孤独を癒してくれる


カウンセラー室に入る
挨拶もそこそこに、どうしても聞きたかった事を尋ねた


僕 :「先生、この件って、政治になりませんか」
先生:「政治とは?」
僕 :「つまり、家族が両親派と、僕派に割れると言う事です。両親がlgbtな僕を受け入れられなくて…僕を排除し、それで家族が割れるという事です。」
先生:「政治なんて詰まらないことは止めなさい。派閥を作るのは止めなさい。一人でも生きる覚悟を持ちなさい。」
僕 :「たった一人で、生きる…。」


兄弟は他人の始まり
けれど、僕には両親が居て、兄弟姉妹が居て…
それを全部棄てる覚悟を持てと言うのか…
カミングアウトとは、何て厳しい道のりなんだ…。


先生:「そんな事よりも、貴方の弟が指を折った時の覚悟を考えなさい。」
僕 :「…!」
先生:「貴方の弟が、婚約者を侮辱する父親に対して、両手の指を机に突き立てて、10本の指を折った、その覚悟を考えなさい。プロのピアニストがそこまでする、その意味は分かるよね?ピアニストとしての死を意味している筈だよ。胸が詰まるほどの怒りがそこには会った筈…。

 

その弟さんが、父親に殴りかかった時には、両親も兄弟姉妹も無かった筈。全部に決別して…たった一人で生きていく覚悟を持って居た筈。貴方は43歳で、仕事も住まいもあって、もう十分過ぎる位立派な大人。lgbtとして生を全うする覚悟を持ちなさい」


そうか、そうだよね。
僕は、今の今まで、弟の覚悟に、思いが至っていなかった…。


先生:「貴方に必要な覚悟は、母親殺しだよ」
僕 :「…!」


頭を殴られたような気持がした。
猛烈に気分が悪くて堪らなくなった。
そして2回目の嘔吐が訪れた

先生から教えて貰ったお護りを、以下に記載


 

僕は、今日、両親と会うのが怖くて、怖くて、逃げ出しそうだけど
そんな自分を 心から 完全に 受け入れます。

 


両親へのカミングアウト~恐怖との闘い~


両親への2回目のカミングアウト

両親への2回目のカミングアウト

1回目のカミングアウトをしたあと、感じたのは…両親への嫌悪・恐怖。
僕があれだけの想いを込めて43年間の想いをカミングアウトしたのに、のれんに腕押しで、感情の動きは見られない。
僕がこれだけ苦しんでいるのに、クールな視線を浴びせるこの人は誰?
母親が、全然知らないオバさんに見えた

カウンセリングの先生は、そんな僕が落ち着くまで付き合ってくれた。
「あれじゃ子供たちは苦しいね…。感情起伏に乏しい人たちだね」
そう言って抱きかかえてくれた。

帰り道で、母親が待ち伏せしているような気がした
僕が謝るまで母親から怒られる、そんな恐怖から逃げられなくなっていた。

お勝手口から出て、広尾から自宅に帰る
通い慣れた聖心女子大からの小道が、すっかり群青色
それでも頭は怒りの為に回り続けている

ピアニストの弟は、結婚したいとフィアンセを両親に紹介したが、父親は許さなかった。
片親のフィアンセを侮辱する父親
怒り狂った弟は、両手で机を殴りつけて、10本の指を折った。

そんな弟を、母親は庇わなかった。
それどころか、弟を勘当すると言い出した。
両親の言う事を聞かない弟が気に食わないからだ

今度は僕の番?
LGBTな子供は両親の気に食わないから棄てる?

上等じゃない
住まいはある、仕事もある、しっかりしている頭も体もある
こちらから母親も父親も棄ててやるよ

 

1週間がたった
2回目のカミングアウトの日が来た
両親の希望で、今回はカウンセリングの先生は入れない
親子だけの会話になる

会いたくない
けれど会わずにはいられない

母親に僕の気持ちを分かってほしい
けれど逃げ出したい

お母さんに嫌われたくない
お母さんの事が大好きだから

その日の朝、出社する道すがら
朝だと言うのに空は夕闇の濃さ
気持ちの悪さはピークに達して…僕は通勤中に嘔吐した


両親へのカミングアウト〜43年振りのカミングアウト〜


両親へのカミングアウト〜その1〜

カウンセラー立会いの元、両親にカミングアウトしました。

1.lgbtは全人口の7.4%を占める、何処にでも身近に居る存在である事
2.そして僕もlgbtの当事者である事

この2点を先ず話しました。

この点については、割とスムーズに話が進みました。

父親から、
「そう言えば親戚の◯◯ちゃんもそうだったよなぁ」
等と、理解を示す言葉も出ました。

「もう21世紀だし、私たちも分かるわよ」
母親からも、フレンドリーな発言が有りました。

けれど、僕にとっては最早、lgbtに両親が理解を示してくれるかどうかは、あまり問題ではない事なのです。

lgbtは左利き位身近な存在、それならば、殊更恥ずかしがる様な事でもない
左利きで恥ずかしいと思う人は居ない

真の問題は…43年間、僕がカミングアウト出来なかった事。
両親が恐ろしくて、本当の事を言えなかった事。
本当の姿を表したら、友だち、兄弟姉妹、両親が去ってしまうと思っていた事。

lgbtな自分が問題なのでは有りません
人と違う事が恥ずかしくて堪らない自分が問題なのです
誰にも本心を開かせない、自己肯定感の低さが問題なのです

此処に来て、問題は一点に絞られました。

◼︎両親が子供への愛情を持っていて…、在るが儘を受け入れてくれるのか?
◼︎両親は子供より自分たちの都合を優先して…、異物は排除しようとするのか?

⬛︎子どもがlgbtである事は認めても、兄弟姉妹へのカミングアウトは拒否するのか
⬛︎兄弟姉妹へのカミングアウトは認めても、親戚へのカミングアウトは拒否するのか
⬛︎親戚へのカミングアウトは認めても、世間へのカミングアウトは拒否するのか

これ迄を振り返ると…両親は、自分たちの都合を優先する事が多かった。

愛情よりもミッションを、強要する事が多かった

家族よりも家業を優先して…、両親は親というより上司と感じる事が多かった

家の中は何時も暴力の匂いが立ち込めて…、躾という名の元の虐待が多かった。そして父親の暴力から、母親が護ってくれる事は無かった。

母親はいつも父親の言いなりだった
その実、何時も最終的な決定権は母親にあった

この記憶が僕の思い過ごしなのか、本当なのか

これ程lgbtが一般化する前の…僕が子どもの頃にlgbtを告白していたら、家族から捨てられていたのか、それとも世間から護ってくれたのか

それがもう直ぐ明らかになる
今週二回目の面談を、両親とします


両親へのカミングアウト~選ぶべきLGBTの副読本は~


両親へのカミングアウト

思う所有りまして…近い内に、両親へカミングアウトします。
僕がゲイである事は変わらないし、隠しても仕方がないので、もう良いかなって。

現状、パートナーが居ないのに何故カミングアウトしたいか、改めて考えて見ました。
結果、両親に、

「もう僕を自由にしてくれ」

と言いたかった事に気がつきました。
そして、自分の人生を再選択したかった事にも、気がつきました。

両親へのカミングアウトを、お互いの理解が深まる場にしたいと思っています。恐らく、人生で初めて本音を言える場になるでしょうから。

カミングアウトに際して、LGBTの説明はしますが、より理解を深めてもらう為に、両親向けに、テキストを用意しました。

今準備しているのは、以下の2点です

■レズビアン的結婚生活
著者:東小雪、増原裕子
理由:やはり、思い入れのある本ですからね

■LGBT初級講座 まずは、ゲイの友だちを作りなさい
著者:松中 権
理由:分かりやすい&ゲイ目線と言う点から

これにテキストを追加するなら、何が良いでしょうか
僕的には、等身大で伝えるためには、映画も良いのかなと思っております
が、それ以外でも

「こんなテキストを紹介したらよく分かって貰えたよ!」

と言う物があれば、教えて頂ければと思っております。
頑張ってきます^^


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